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大学産業ラボの記事一覧

2019.06.27
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蛇口から出る「水の色」について。5回目「白い水」

 5回目(最終回)の今回は「白い水」について解説します。

 「白い水」としては古くは二つの原因があったが、最近はもう一つ「白っぽい水」として増やす必要がある。現象として最も多いのが、蛇口で急に減圧されて水中に溶けている空気が微細な気泡として出てくる場合である(これは水源が地下水で良い水の場合か、高い圧力をかけた圧力タンク方式の場合であることが多い)。この現象は米の研ぎ汁のようになるが、数分放置すれば上に浮いて無くなってしまうので害は無いが、使用上やや抵抗があるなら、圧力を下げる、蛇口のケレップ(コマとも言える)を交換してみるか蛇口をもう少し大きく開けてみると直ることが多い。

 
もう一つは「亜鉛」の溶出である。最近は亜鉛メッキ鋼管の使用が禁止されているところも多いのであまり相談もなくなったが20~30年前位までは随分多かったものである。白くボーット見えるもので、沸かすとなお顕著に見えるのだが、通常ヤカンで沸かした場合そのままお茶やコーヒーを入れるので気が付かなかった人も多いのもであった。

 
もう一つは原水の悪化に伴い飲料水の高度処理が求められるようになり凝集剤が使用されるようになり、ポリ塩化アルミニウム等が多用される時代になった。ただこの薬品は原水の汚れ度やアルカリ度によって注入量が変化するので、場合によってはタイムラグを生じ凝集されないままろ過装置を通過してしまい、水酸化アルミニウムとしてアフター凝集して白っぽく見える水が生じる可能性がある。

2018.03.16
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蛇口から出る「水の色」について。4回目「緑色の水」

4回目の今回は「緑色の水」について解説します。

「緑色の水・浮遊物」は、受水槽,高架水槽内に藻類が発生してそれらが蛇口に出てくるものである。過去には安価なアイボリー色の薄いFRP製の高架水槽が使われていた時があり、内側に太陽光が届き滞留時間が長い水槽内部で残留塩素が無くなる時間が長いと藻類が発生し、この緑色の水の相談が増えたことがあった。暖かい所、日照時間の長い所、太陽光の日差しの強い所では、水槽内に光が届かないよう遮光の必要がある。

次回(5回目)・・・「白い水」について解説します。

2017.12.04
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蛇口から出る「水の色」について。3回目「黒い水」

3回目の今回は「黒い水」について解説します。

「黒い水」の原因は、水中に溶けているマンガンによるものが多い。マンガンは鉄に比べると酸化がゆっくりのため蛇口の所では気が付きにくいが、ポットや汲み置きの水が暫くすると何となく黒っぽくなってくるものである。飲料水基準は0.05mg/L以下であるが、完全に酸化されるとマンガン濃度の約300倍の色度を呈する。マンガンがわかる最も多い現象は蛇口から”黒い”ポチポチの粒子が出てくることによる気づきでる。これが最近の浄水器ブームと重なって「蛇口から活性炭が出てきた」と間違えて依頼して来る人も多い。しかし、浄水器の場合、構造によっては本当に初期に黒い活性炭の粒子が出てくることもあるようなので、前後の因果関係をよく調べて見なければならない。

次回(4回目)・・・「緑色の水」について解説します。

2017.07.28
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蛇口から出る「水の色」について。2回目「青い水」

2回目の今回は「青い水」について解説します。

「青い水」はその殆どは”銅”に由来する。銅が地中から色がつくほど高濃度で出てくることは殆ど無いため、原因は銅管・銅の熱交換器、銅のタンク、等からの溶出によるものと判断して良い。古いホテル等で陶器の洗面台の蛇口の水滴の落ちる所が空色になっているのを散見する。また、浴槽等のバスタブでは、人体の垢に含まれる脂肪酸と銅が反応して”脂肪酸銅”という空色の物質を生じ浴槽の喫水線の所に付着することがある。この反応は銅の飲料水基準の1/10程度で生じると言われている。浴槽の内面清掃を毎日している所では気が付きにくいが数日に一度しか清掃しない手抜きの所では気が付きやすい。
銅が溶出してくる原因はたくさんある。溶存酸素、軟水、遊離炭酸、硝酸態窒素、低アルカリ度、異種金属管の接合に絶縁継手を使っていない場合、硫酸イオン、低pH値 等、銅は日本の良い水の場合溶けやすいのである。

次回(3回目)・・・「黒い水」について解説します。

2017.07.12
大学産業ラボ

蛇口から出る「水の色」について。その原因は?

水質のトラブルとして「水に色がつく」という現象について、6回に分けて解説していきます。

第1回目・・・「赤い水・茶色の水・黄色い水」
 
 「赤い水」「茶色の水」「黄色い水」は濃度差と個人の感性・表現力によって異なるものが多く、殆どが”鉄”の酸化物によるものである。濃度、他の物質の共存によって色は異なる。正確には色というより、暫く放置すると沈殿するので濁りといった方が正確かもしれない。原因に「水源から入って来ている」場合と「配管及び機器から溶け出したもの」の二通りがある。鉄は地下水から出てきた瞬間や、配管から溶け出した時は鉄イオン(二価)の状態で無色透明(金気の味はする)であるが、空気に触れた瞬間から、また水中の溶存酸素により酸化が始まり(三価)の鉄となってゆき、色又は濁りとなって目に見えるようになってくる。地下水の場合は鉄とマンガンが共存している場合が多く、マンガンは酸化されて黒になるので、茶色又はチョコレート色になる。酸化されずにイオン状態で蛇口まで到達し、そこで茶汁に触れるとタンニンと結合して「紫色」に変化する。台所のシンクでよく見られるものである。完全に酸化されたものの場合はこの反応は起きない。
 また、赤水が出ると言った現象でも、常時色がついた水が出る、数日旅行した場合に出る、朝出る、天候によって時々、など、まず現象の解析によって原因がかなり推測できるものである。

 

 次回(2回目)・・・「青い水」について解説します。

2016.10.13
お知らせ防災

『危機管理産業展2016』に出展いたします。

 

危機管理産業展2016にブースを出展いたします。

 ■開催日時:2016年10月19日(水)~21日(金) 3日間

 ■開催時間:10:00~17:00

 ■会場:東京ビッグサイト 西1・2ホール、会議棟

 ■弊社小間番号:1M50

 ■展示内容: 緊急時用浄水装置、連続自動飲料水袋詰機『ウォーターパッカー ミニ』 

 ■主催者サイトはこちら:http://www.kikikanri.biz
                (事前登録いただけますと入場料が無料となります。)
 

皆さまのご来場を心よりお待ち申し上げております。

      

2013.11.21
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知っておきたい水の話 vol.7

今回は、「水をまずくする成分」と題して、記事を掲載していきます。

1.臭気成分
 1)遊離塩素臭
   いわゆるカルキ臭であり、安全のためには必要不可欠なものであり、上限は特に決められていないが、
   1.0mg/L以内が好ましいとされている。管末で0.1mg/L以上の水質管理基準が、給水範囲が広域の場合、
   浄水場の近くでは濃くなることはやむを得ないことである。平均的日本人の場合、冷水では0.2mg/Lまでは
   あまり気にならいといわれるが、発展途上国で試験した所0.1mg/Lで9割の人が不快な表情をしたことより
   「おいしさ」においては、無いほうがおいしいのは言うまでもない。
 2)油臭
   新設配管の場合は、殆どがパイプのネジ切りに使用される植物性のカッティングオイルに起因する。
   しかしまれにクロスコネクションや他の原因により混入することも有り得るので、調査をする必要がある。
 3)硫化水素臭
   いわゆる硫黄泉や卵の腐ったような臭いであり、その他、酸欠の地下水、鉄分の出る井戸、湖沼の湖底水に
   見られる。濃度が濃いと有毒である。
 4)金気臭
   「かなけ臭」の主なものは、イオン状の鉄・マンガンであり、これらの大半は地中より酸化されない状態で
   出る場合が多い。しかし、一部では給水管内の長時間滞留により鉄分の溶出が起こり臭いが出る場合がある。
 5)フェノール類
   5ppb(ppm=百万分の一のさらに千分の一)の量でも塩素と化合して、クロロフェノールができ、強い臭気を発する。
   倒木や工場排水が原因となる。
 6)シクロヘキシルアミン
   この物質も工場排水が原因であり、数ppbでも塩素と化合して、タマネギの腐った様な不快な臭気を発する。
   過去に淀川や利根川水系で発生したことがある。
 7)ジェオスミン及びジメチルイソボルネオール
   藍藻類や放線菌によって作られる物質で、カビ臭・土臭の原因物質で琵琶湖・印旛沼等が有名。
   塩素・活性炭・オゾンでも完全に除去することは難しい。
 8)その他
   新設で塩ビ管工事の場合の接着剤の臭いなど。数日で消える。
2.味覚成分
 1)塩味
   塩分が原因であり、敏感な人は50mg/Lから解る。普通の人でも200mg/Lで解り、500mg/Lあれば鈍感な人でも解る。
 2)渋味
   鉄=0.3mg/L以上、銅=1mg/L以上、亜鉛=0.3mg/L以上で感じると言われている。
 3)苦味
   マンガン=0.3mg/L、マグネシウム=50mg/L以上で感じると言われている。
今回はここまで。続きは次回に掲載します。
 続き・・・ 3.視覚成分 4.その他 
筆者:大学産業株式会社 前会長 曽布川 尚民
2013.10.25
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知っておきたい水の話 vol.6

今回は、「水をおいしくする条件」と題して、記事を掲載していきます。

1.物理的条件
  1)外観・・・・無色,透明で変な泡立ちの無いこと。
  2)水温・・・・体温マイナス20~25℃が美味しいといわれる。
         因みにお湯の方も体温プラス20~25℃が飲み易い温度であると言われている。
  3)環境・・・・臭気ぷんぷんの汚い所で飲むより、雰囲気が味にプラスになる。
  4)清潔感・・・ピカピカに磨かれたコップ、清潔な環境、これも大きい要素になる。
2.生理的条件
  1)体が要求しているとき・・・・汗を沢山かいた後、サウナの後、酔い醒めの時、 塩辛いものを多く食べた後、
                   喉が渇いている時、体内水不足の時。 
  2)飲み慣れた水・・・・第三者がえーっと思う水でも、飲み慣れた人には美味しいもの。
  3)緊張,興奮していないとき・・・・美味しさは気持ちがゆったりと落ち着いた時に初めて味わえるものである。
3.気象条件
  1)温度・・・・汗ばむ暑さと、水温との温度差が10℃以上あると美味しく感じる。
  2)湿度・・・・乾燥している方が、体表面からの蒸発量が増えるため美味しく感じる。
また”おいしい水”を作り上げる要素は次のようにも言い換えることができる。
 1.水側の要素
  1)視覚によるもの・・・・無色,透明,変な泡立ちの無いこと。
  2)味覚によるもの・・・・無味。
  3)嗅覚によるもの・・・・無臭、鼻に直接入る臭いと、口・舌の関門を経由し鼻に抜ける風味の二つある。
  4)水温        ・・・・飲む水の温度。(体温との差)
  5)清潔度     ・・・・飲む水の入っている容器のきれいさ、周りの清潔感。
  6)環境       ・・・・飲む場所の雰囲気、汚さ、臭気、騒音も関与。
  7)安心感     ・・・・有害細菌等でないであろうこと、重金属や有害化学物質等含んでないだろう事の
                信頼感、安心感が必要。
 2.飲む側の要素
  1)体の要求時  ・・・・体内水量,質のアンバランス状態(汗による水分・電解質の排出時、アルコール摂取時の
                血中濃度アンバランス時、塩分の摂りすぎによる血中濃度のアンバランス時)の時、
                喉の渇きとして体が水を求め、調整のため水分を必要とする時。
  2)慣れた味    ・・・・刷り込み現象による、既知の味覚による安堵(懐かしさも同居)・安心感。
  3)弛緩している時・・・・体がリラックスしている時、興奮・緊張時は神経が味覚に集中しない。
  4)気温       ・・・・発汗が促されるやや高い外気温度。
  5)湿度       ・・・・発汗が促される周りの乾燥度。
 

今後の掲載予定内容
 水をまずくする成分
筆者:大学産業株式会社 前会長 曽布川 尚民
2013.10.08
大学産業ラボ

知っておきたい水の話 vol.5

今回は、「”おいしい水”と”名水”は異なる」と題して、記事を掲載していきます。
最近のボトルドウォーター流行りに、それらのネーミングにも様々な名称が付けられ、購入する人々にとって誠に紛らわしいものとなっている。さらに薬事法すれすれのネーミングや効果もどきの表現の氾濫には消費者を惑わすものとして困ったものである。その中でも「おいしい水」(元厚生省の諮問機関である生活環境審議会及びおいしい水研究会の答申による)と「名水」(元環境庁水質保全局水質規制課所管)は、所管する機関によって決められた表現であり、両者は比較の次元が異なるのである。
「おいしい水」の条件とは
 1)飲んでさっぱりする味覚
 2) くせの無い水
 3)汚染を受けていない自然に近い状態の水
 4)おいしいなと思う水
「名水」の基準とは
 1) 水質、水量、周辺環境、親水性の観点から見て、状態が良好
    きれいな水で古くから生活形態、水利用等において水質保全のための社会的配慮が払われているもの。
 2) 地域住民等による保全活動がある
    地方公共団体等においてその保全に力を入れているもの。
 3) 規模
   湧水などである程度水量を有する良質なもの。
 4) 故事来歴
   いわゆる「名水」として故事来歴を有するもの。
 5) 希少性、特異性、著名度 等
   自然性が豊かで、希少性や特異性を有し、優良な水環境として後世に残したいもの。
要するに「名水」とは、それを産出する【水源】【場所】が主役であり、【口に入る時】が問題の「安全な水」「おいしい水」「健康に良い水」等と直接比較できることではない。勿論「名水」には「おいしい水」や「健康に良い水」の沢山あり、その地においては「名水」に恥じない内容だと思うが、そこから汲み出され、加工されボトルや袋にパック詰めされた「名水の水」が、果たして「おいしい水」か「健康に良い水」かは、確率は高いかもしれないがイコールではない。ムードを求めるか、信ずることによって起こる効果に価値を求めるかは飲む人次第である。
今後の掲載予定内容
 水をおいしくする条件
 水をまずくする成分
筆者:大学産業株式会社 前会長 曽布川 尚民
2013.09.13
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知っておきたい水の話 vol.4

今回は、「”おいしさは”幼少期の慣れによる」と題して、記事を掲載していきます。

“刷り込み現象”という言葉がある。お母さんの手作り料理がおいしく感じるのもそのためである。味など無いように感ずる”水のおいしさ”も、幼い時から慣れ親しんだ味に影響されるところが大きいといわれる。科学的に統計を取って調査した訳ではないが、世間での通説が結構当たることと、12年間「静岡県お茶と水研究会」で会員に”ベロ(舌)メーター”味覚試験をして来た結果の印象である。即ち、不味い水の所で育ってきた人にはそこの水が不味いという実感が少なく、水の良い所で育った人には、異郷の都会の水は、そこに生まれ育った住人より不味く感じるようである。また、農耕民族、狩猟民族、肉食中心、菜食中心、等 人種や生活行動により幼少時の生活環境が、水だけでなく、主食、副食、味付けにも、体が求めるものとして、その人の”おいしさ観”が刷り込まれて行くと言われている。それに植物アルカロイドや脂肪が加われば、おいしさを通り越して弱い習慣性として人の味覚を虜にする。


今後の掲載予定内容

 「おいしい水」と「名水」は異なる
 水をおいしくする条件
 水をまずくする成分
筆者:大学産業株式会社 前会長 曽布川 尚民