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知っておきたい水の話 vol.7 news

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知っておきたい水の話 vol.7

今回は、「水をまずくする成分」と題して、記事を掲載していきます。

1.臭気成分
 1)遊離塩素臭
   いわゆるカルキ臭であり、安全のためには必要不可欠なものであり、上限は特に決められていないが、
   1.0mg/L以内が好ましいとされている。管末で0.1mg/L以上の水質管理基準が、給水範囲が広域の場合、
   浄水場の近くでは濃くなることはやむを得ないことである。平均的日本人の場合、冷水では0.2mg/Lまでは
   あまり気にならいといわれるが、発展途上国で試験した所0.1mg/Lで9割の人が不快な表情をしたことより
   「おいしさ」においては、無いほうがおいしいのは言うまでもない。
 2)油臭
   新設配管の場合は、殆どがパイプのネジ切りに使用される植物性のカッティングオイルに起因する。
   しかしまれにクロスコネクションや他の原因により混入することも有り得るので、調査をする必要がある。
 3)硫化水素臭
   いわゆる硫黄泉や卵の腐ったような臭いであり、その他、酸欠の地下水、鉄分の出る井戸、湖沼の湖底水に
   見られる。濃度が濃いと有毒である。
 4)金気臭
   「かなけ臭」の主なものは、イオン状の鉄・マンガンであり、これらの大半は地中より酸化されない状態で
   出る場合が多い。しかし、一部では給水管内の長時間滞留により鉄分の溶出が起こり臭いが出る場合がある。
 5)フェノール類
   5ppb(ppm=百万分の一のさらに千分の一)の量でも塩素と化合して、クロロフェノールができ、強い臭気を発する。
   倒木や工場排水が原因となる。
 6)シクロヘキシルアミン
   この物質も工場排水が原因であり、数ppbでも塩素と化合して、タマネギの腐った様な不快な臭気を発する。
   過去に淀川や利根川水系で発生したことがある。
 7)ジェオスミン及びジメチルイソボルネオール
   藍藻類や放線菌によって作られる物質で、カビ臭・土臭の原因物質で琵琶湖・印旛沼等が有名。
   塩素・活性炭・オゾンでも完全に除去することは難しい。
 8)その他
   新設で塩ビ管工事の場合の接着剤の臭いなど。数日で消える。
2.味覚成分
 1)塩味
   塩分が原因であり、敏感な人は50mg/Lから解る。普通の人でも200mg/Lで解り、500mg/Lあれば鈍感な人でも解る。
 2)渋味
   鉄=0.3mg/L以上、銅=1mg/L以上、亜鉛=0.3mg/L以上で感じると言われている。
 3)苦味
   マンガン=0.3mg/L、マグネシウム=50mg/L以上で感じると言われている。
今回はここまで。続きは次回に掲載します。
 続き・・・ 3.視覚成分 4.その他 
筆者:大学産業株式会社 前会長 曽布川 尚民