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滅菌消毒装置と薬品と維持管理の役割 vol.5 news

大学産業新着情報 大学産業ラボ滅菌消毒装置と薬品と維持管理の役割 vol.5

滅菌消毒装置と薬品と維持管理の役割 vol.5

今回は、前回からの続きで「次亜塩素酸ナトリウムを理解する その2」と題して、記事を掲載していきます。

 殺菌消毒を「確実にする均一性」と「殺菌効果を高める事」と「簡単なメンテナンス」と「継続できる経済性」を満足するシステムを構築するためには、次の項目のすべてのバランスが大事である。
1.原水(特に河川水、伏流水、浅井戸水を水源とする場合)の塩素消費量を、天候,シーズン毎に良く掴んでおくこと。
2.原水にアンモニアが含まれる場合、塩素を10倍程度消費し、殺菌力が弱くなる
3.一日の次亜塩素酸ナトリウムの計画使用量又は現使用量、そして5~10年先の計画使用量を知ること。(これにより、保管期間,エアロックの可能性,次亜塩素酸ナトリウムの品質,薬品代と維持管理手間代から使用できる品質が決められる)
4.原水のpH。(殺菌時間と確率の計算、使用薬品の選定、pH調整剤の検討 等)
5.施設の概要。(次亜塩素酸ナトリウムの原液注入か、自動希釈か、補給・貯留・エアロック対策・注入装置を詰まらせない、どこで添加するか、何に連動させるか、外気温の影響を受けるか 等)
6.原水の硬度成分が50mg/L以下であるか・以上であるか。(次亜塩素酸ナトリウムの注入点を圧力管内の水中に注入か・水に接触させないで添加させるか→硬度が高いと注入点に結晶が付いて閉塞頻度が高くなるため。)
7.次亜塩素酸ナトリウムは15℃を超えると分解速度が早くなる。タンクローリー等で購入する場合は冷却システム・紫外線の遮断・温度上昇をどうするかを検討する。→地下水で冷却か,チラー冷却水循環か,タンク格納室の空気冷却か 等、設備費と薬品が分解して濃度が下がるコストと外部への影響の検討と比較を行う。
8.殺菌に求められる確率99.9%か99.999%か。
9.大地震や水害等に対しての破損・流出に対する液漏れ防御システムなどの検討。
10.その他、過去の経験より学んだ事をシステム構築に組み込む。
今後の掲載予定内容
 ・次亜塩素酸ナトリウムの品質と特性を知る
 ・残留塩素濃度を均一にすること
 ・薬品の特性と装置
 ・安い薬品を使いこなすコツ
 ・維持管理の仕事を理解する
筆者:大学産業株式会社 前会長 曽布川 尚民