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滅菌消毒装置と薬品と維持管理の役割 vol.4 news

大学産業新着情報 大学産業ラボ滅菌消毒装置と薬品と維持管理の役割 vol.4

滅菌消毒装置と薬品と維持管理の役割 vol.4

今回は、「次亜塩素酸ナトリウムを理解する その1」と題して、記事を掲載していきます。

塩素剤による水の消毒殺菌にコツは、第一にどこを取っても”金太郎飴”のように、「ムラ」の無い均一の濃度で、切れ目なく添加することである。途中に時間を混ぜる事の出来る滞留槽があれば別だが、高速で流れる圧力管内の水に対しては、1m3の水に10mLの量を注入することは簡単であるが、均一に混ぜる事は難しいものである。
次に薬品添加後の水のpHである。40年以上前のように塩素ガスを使用していたときには、塩酸の生成でpHが下がり水中では殆ど「次亜塩素酸」に解離し強力な殺菌力を示したが、最近のように上下水道ともに次亜塩素酸ナトリウムを使用する殺菌法になってきたときに注意をしなければならないのは「薬品添加後の水のpH」である。次亜塩素酸ナトリウムは強アルカリ性であり、注入時点で1mg/L以上の注入を必要とする場合は次亜塩素酸ナトリウムのアルカリ度に気を付けないと、殺菌力が非常に弱い「次亜塩素酸イオン」に比率が高くなりpH8を超えてしまう場合がある。こうなると次亜塩素酸態の場合の殺菌時間が20~30秒であるのに対し、次亜塩素酸イオン態の場合は30~40分もかかると言われている。
 また、安物の次亜塩素酸ナトリウムでは苛性ソーダが未反応のまま(製品濃度安定のためわざと残しているという説がある)残っているので、耐塩素性のバイトンゴム等を溶かし定量注入装置の機能を劣化させるので薬品の購入には価格だけでなく品質を吟味し、安物買いにならないようにしなければならない。
   続きは次回へ。
今後の掲載予定内容
 ・次亜塩素酸ナトリウムを理解する その2
 ・次亜塩素酸ナトリウムの品質と特性を知る
 ・残留塩素濃度を均一にすること
 ・薬品の特性と装置
 ・安い薬品を使いこなすコツ
 ・維持管理の仕事を理解する
筆者:大学産業株式会社 前会長 曽布川 尚民